当院について
特色
浅田心療クリニックは、児童思春期精神医療と精神医学リハビリテーションの専門的医療機関として特色あるクリニックです。
昭和45年の開院以来、50年に渡って地域社会と手をとりあい、精神科専門病院として地域医療の一端を担ってまいりました。
こころに触れるコミュニケーション技術を医療サービスの中心に位置付け、これからも地域医療の向上発展に尽くします。
治療に対する考え方
私たちは、薬物療法ばかりでなく、カウンセリングマインド(精神療法的人間理解)を太い軸にしながら、一人一人の固有の問題と現実に沿って解決のヒントを一緒に考えて行きます。その際に、家族や周囲との対人的関係の中で、症状や行動がどういう意味を持つのか、それを通じて無意識的に何を伝えようとしているのかという視点が重要と考えます。つまり、その人が属する家族、学校、職場等の組織や集団の中での相互関係について考えることが、とても重要だと思うのです。とりわけ、患者さんが子どもや未成年の場合は、こうした視点が必須だと考えます。
そのためには、医療や福祉的支援を提供する側にはチームアプローチが必要であると考えます。私たちのクリニックでは、公認心理師(臨床心理士)、看護師、精神保健福祉士、作業療法士等の多職種によるチーム医療を行っており、ご家族や、学校、職場と連携することで、「ぶなの森」のような生き生きとした多様なつながりを一緒に作り上げることが、患者さまご本人の治療や支援に豊かな実りをもたらすものと考えます。
また、多機能型精神科クリニックとして、関連施設には、デイケア、訪問看護室、B型作業所「スペースぶなの森」(パン工房 ベーカリーやまねこ)があり、通所によるリハビリや就労支援を提供しています。
設備のご案内
浅田心療クリニックは、JR広島駅から電車で約15分のところにある矢野駅から車で約10分です(アクセスについてはこちらをご覧ください)。
50年経っても、春にはシジュウカラ、ウグイスの鳴き声の聞こえる、安芸の山々の緑に囲まれた静かで穏やかな景色は変わらずにそこにあります。
当院は、理念として、こころに触れるコミュニケーション技術を医療サービスの中心に位置付けています。
駐車場は10台あります。
受付横には消毒液がありますのでお使いください。
何かご不明な点がございましたら、御遠慮なくスタッフにお尋ねください。
診察は外来スタッフがお声かけいたしますので、少々お待ちください。時間予約制ですので、来院された順とは多少前後する場合があります。
席は受付横、医療福祉相談室前、診察室手前にもあります。適度な距離を空けておかけください。
通院したいけれども子どもが静かに待てるかとか、負担がかえって増えないだろうかなど、心配される保護者様もいらっしゃると思います。そこで、キッズスペースを設置いたしました。新型コロナウイルス感染症予防対策として、ぬいぐるみなどは撤去いたしましたが、替わりにDVDを観ることができるようにいたしました。もしも付いていない場合は、外来スタッフにお声かけください。(おむつ交換も、外来スタッフにお声かけください。)
当院は、対話を大切にし、安心感と信頼感が感じられる診療を心がけています。そして、治療者がさまざまな技法で心理的な働きかけ(精神療法)を行い、患者様と共に症状の改善や、生きやすい暮らしを目指します。必要に応じて、薬物療法や生活療法などを併用することもあります。
当院は、こころのケア、生きやすさの向上には、必要に応じた地域連携や、地域資源の活用、外部機関との調整がとても重要であると考えています。その窓口となるのが医療福祉相談室です。また、医療福祉サービスの情報提供や、諸手続きについてご説明いたします。当事者の方を中心に据え、内部連携しながら進めていきます。
心理療法(セラピー)のためのプレイルームがあります。自己と向き合い、受け容れ、こころの傷をいやし、自己肯定感を高め、成長を促す手法がセラピーです。セラピストは、そのこころの動きを理解し支えることで、こころの奥深い部分・ナイーブな部分にアプローチします。写真の右はプレイセラピーの一つである箱庭療法です。
当院は、精神科デイケアを併設しています。精神科デイケアは、こころのリハビリテーションのための空間とプログラムを提供し、人とこころ、人と人、人と社会をつないでいく場です。手工芸、園芸、カラオケ、スポーツ、レクリエーション、集団での話し合いなど、個別やグループでの活動などを自分の調子やペースを大切にしながら行い、地域社会での暮らしの質を担保したり、その向上を目指すことを目的とした施設です。
広島電鉄バス熊野営業所から徒歩3分の所に、就労継続支援B型作業所「スペースぶなの森(通称:ぶな森)」を運営しています。スペースぶなの森では、仕出しや各種軽作業の仕事を、メンバーの方々とスタッフが力を合わせながら取り組んでいます。他の病院に通院中の方でも、作業所を利用することはできますので、お問い合わせください。
院長紹介
浅田 護
私は1956年に広島市に生まれ、3才まで西区己斐に、高校卒業まで安芸郡府中町、その後は、13年間青森県弘前市で過ごしました。弘前大学医学部を1983年に卒業し、弘前大学神経精神医学教室に所属し精神科医として勤務しつつ、大学院で神経病理学を専攻し医学博士となりました。学生時代は詩や小説を書く文学少年でしたが、一方、インドネパールを放浪したり、津軽の野山を一人で歩き回ったりと、放浪癖、徘徊癖のある大学生でした。それがいつの間にかエスカレートして、遅まきながら医学部5年生から医学部山岳部に入部し、本格的な登山や岩登りを始めました。当時クラブは全盛期にあり、精神科医になって2年目、1984年には医学部山岳部山の会主催で弘前大学カラコルム遠征隊を組織し、パキスタン北部の当時未踏峰だったユクシン・ガルダンサール(7530m)南西壁初登攀を経験しました。800mの垂直の雪壁をスキーを担いで登り、高度6000mで16km続く、世界で最も美しい上部氷河と言われる、「天空の純白の吊り橋」、アッパーヤズギル氷河をスキーで遡行し、最後はまた垂直の1000mの雪と岩の南西壁を登攀し頂上稜線に至るのですが、登頂そのものよりも、このアッパーヤズギル氷河遡行経験とそこからの景色が、私の生涯の宝物になりました。
私の専門は、児童思春期精神医学と、精神分析的精神療法と、集団精神療法です。特に思春期の入院治療は四半世紀にわたり、渾身のエネルギーを注いできました。その間、当時世界でも最高レベルと言われていた、英国キャッスル病院思春期ユニットの臨床をこの目で確かめたくて、2001年に半年間留学をしてきました。その後も、4年間英国に1、2ヶ月に一度通い、ロンドンのデニス・ブラウン先生の集中的訓練グループ療法に2年間、グラスゴーのグループ分析協会の集中的アドバンストコースに2年間通い修了しています。こうした訓練の背景から、私の臨床は、英国学派の立場からの、個人精神療法、集団精神療法の視点を用いた、児童、思春期の子どもたちの内的世界と、周囲の大人や子ども達との関係性を細かく理解した上で関わっていくという、精神療法的な治療を専門としています。
略歴
1956年 広島市生まれ
1983年 弘前大学医学部卒業
1984年 弘前大学カラコルム遠征隊参加 ユクシン・ガルダンサール(7530m)南西壁初登攀
1988年 弘前大学大学院医学研究科修了 医学博士
1992年 浅田病院院長
2001年 英国キャッスル病院思春期病棟留学
2001~2003年 英国グループア分析プラクティス・ブロック訓練グループ参加
2003~2005年 英国グループ分析協会認定ブロックコース修了
2009年 日本精神分析学会山村賞受賞
2018年 医療法人あさだ会浅田心療クリニック院長
所属学会・認定医
専攻:児童思春期青年期精神医学、精神分析的精神療法、集団精神療法
日本精神分析学会 認定精神療法医、認定スーパーバイザー
日本集団精神療法学会 認定グループセラピスト
役職:
広島精神分析セミナー代表
日本精神分析学会 運営委員
日本精神分析的精神医学会 運営委員
日本集団精神療法学会 元常任理事
著訳書
「集団精神療法的アプローチ」(集団精神療法叢書)編著
「分析的グループセラピー」(金剛出版)監訳
「青年のひきこもり」(岩崎学術出版)共著
「こころの退避」(岩崎学術出版)共著
「精神分析から見た成人の自閉スペクトラム」(誠信書房)共著